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日本のゲーム市場を理解するということ
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日本のゲーム市場を理解するということ

3大家庭用ゲームコンソール市場であるヨーロッパ、アメリカ、日本には、それぞれの特色がある。中でも日本は疑いなく、他の2つとは一線を画していると言えるだろう。以下に何が違うのかを挙げてみる。
 

1.様子を見る

全体的に日本人は新しいものに対して慎重で、新商品を率先して試すタイプではない。ヨーロッパのプレイヤーは友人にその作品の話をしたいがため、誰よりも先にプレイする人間になることを厭わないが、日本の消費者は新商品に飛びつきたがらず、その商品の確かな情報を得るまで待つのだ。つまり、日本で新商品を手掛けることは、ヨーロッパやアメリカで行うよりもさらなる困難を伴う。ゲームの場合、日本のプレイヤーに商品を手に取ってもらう重要な方法の1つとして、プレイできる体験版をリリースすることが挙げられる。体験版をプレイした人が実際の消費者になる転換率は非常に低いが、体験版をリリースすると徐々にではあるが購入者の数が確実に増えていくことが分かる。これは、体験版があまり結果につながらないヨーロッパやアメリカの市場とは逆の現象だ。この理由の1つとしては…(ポイント2参照)
 

2.ゲームレビューがオンライン上に存在しないということ

アメリカやヨーロッパでは、メジャーなサイトから小さな趣味程度のサイト、個人のブログ、YouTuberのレビューに至るまで、ゲームを批評するサイトがネット上にあふれている。誰もが自分の意見を述べたくてたまらないといった具合だ。しかし日本の場合はまったく異なる。紙の媒体は「ファミ通」、「電撃PlayStation」の2冊のみで、信じられないことにオンライン上には何もない。ゲームの感想を記したサイトは存在するが、批評は行っていない。つまり、日本の消費者はオンライン上でゲームの批評をチェックする術がないのだ。あるとすればアマゾンジャパンの消費者コメントくらいだろう。しかし、それはデジタルゲームにとって、大した助けにはならない。
 

3.人気のジャンル

ヨーロッパやアメリカ市場の売れ筋は、スポーツにアクション、シューティングゲームだろう。だが、日本市場は様子が異なる。もちろんeショップのランキングにいくつかは含まれているが、これはルールに当てはまらない例外と言える(ポイント5参照のこと)。日本ではRPGやアクションRPGといった、ファンタジー色が強い作品がプレイヤーの心をガッチリとつかんでいるのだ。
 

4.美しいこそ正義

ゲームの見た目、特にキャラクターデザインが日本では肝となる。日本の消費者はアニメや漫画の影響で、小さい頃から外見が美しく、かわいい、あるいはセクシーでモデルのようなキャラクターを見て育ってきた。そのため時に、海外のデザインに興ざめしてしまう。たとえば『ゴッド・オブ・ウォー』と『デビル・メイ・クライ』の主人公を見比べてみれば、意味が分かるだろう。
 

5.大ヒットか大惨事か

日本は概して単一民族社会であり、ヨーロッパやアメリカと比べると多様なバックグラウンドを持つ人は少ない。その結果、より明確な定義を持つ市場となっている。商品が当たれば大ヒットとなり何年もランキングに残り続けるが、当たらなければほとんど売れないような惨事に陥る。日本にはヨーロッパやアメリカのように、「そこそこ」というケースがほとんど存在しない。